映画 ジェネラル・ルージュの凱旋

★はじめに

皆さん、映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』、もうご覧になりましたか?
堺雅人さんの登場ですから、もちろん公開初日に劇場鑑賞してまいりました!しかし、思うようにナタバレ無しに感想が書けず、たまたま制作に携われた方の講評に巡り合い、とても気に入ってしまいましたので、ここに私の日記として引用、紹介させていただきました。映画の内容はご機嫌でしたよ!

※(文中2カ所にネタバレ予告部分を挿入)ご安心ください!

★ご案内

前作でヒットした医療サスペンス『チーム・バチスタの栄光』では、コメディ風味の医療サスペンスという相反する要素にいまいち折り合いがついていなくてアンバランスな印象だったのですが、続編『ジェネラル・ルージュの凱旋』となる、今作は田口&白鳥の凸凹コンビも安定感が増し、二人のやりとりによる笑いどころも素直に笑えました。

しかしこの秀作の真価は、謎解きサスペンスとしてではなく、ましてやおとぼけコメディでもなく、医療現場の現実をあぶり出した熱い人間ドラマにこそあると思います。

この映画は一応、分類上はサスペンス映画とされるでしょうが、謎が謎を呼びというたぐいの映画ではないのです。謎解きサスペンスの皮を被りながらその実、言葉巧みに今の医療現場の問題点を次々と指摘していくのですね。

(次の1行はネタバレ注意)
センター長・速水に対する疑惑や物語の発端となる告発文を書いた人物、その真意など、すべての謎は終盤でもちろん決着がつきます。しかし多くの観客がそこで感じるのは事件解決の快感ではなく、今の医療システムの現実に対する問題意識のはずなのです。

さらにこの映画はこれで終わらない。事件解決のあとに用意された真のクライマックス。
(次の1行もネタバレ注意)
それは予告編でも流れている大惨事における医療現場の実際でした。
この段に至ると映画の流れは一変し、さながら医療ドキュメンタリーの様相を見せます!

大病院といえども助けられる命には限界がありますよね。理屈ではわかってても、いざそれを自分のこと、身内のこととして突きつけられたとき、人はそれを受け入れられるのでしょうか。
またそれは医師たち自身にも降りかかる難問でもあります。自分の判断ひとつで患者の生死が決まってしまうとき、感情に流されずに適切な判断を下さなければならないのですから。

終盤、ついさっきまで言い争っていたのに、いざ一大事となると一丸となって治療にあたるプロの医師たち!名も無き看護師も、未熟な研修医も、皆できることをまっとうするのです。ひとつでも多くの命を救うという病院本来の目的のために!
素晴らしい感動シーンでした。そしてオチも!

それまでに張り巡らせた伏線を、クライマックスで一気に回収していく中村監督の、最小限の台詞で最大限に感情を高ぶらせる巧みな演出が凄いと思います。


★ キャスト陣がまた特筆したいほど素晴らしい。

まずはともあれ今回の主役といえるひと癖もふた癖もあるセンター長・速水を演じきった「堺 雅人」が男惚れするほど格好いいのです。

また『チーム・バチスタの栄光』では嫌な奴という印象が濃かった阿部寛演じる白鳥が、今作は堺速水に負けず劣らず格好いい。まさにキレモノという言葉がふさわしい活躍を見せて好感度大幅アップです。

前作ではアクが強すぎると感じた「阿部寛」でしたが、今回は同じくアクの強い「堺 雅人」との対決ということで、スパイスが絶妙といった味付けとなっています。

そして竹内結子の演じる本来の主役・田口がこれまた前作ではあまり感じられなかった秘めた強さを垣間見せるのですね。
冒頭の会議シーンではおどおどしてろくに発言できなかった彼女が後半、目を真っ赤にしながら静かに訴え、さらにある人物を睨みつける表情が印象深いのです。

速水にこき使われて反発する部下の“佐藤ちゃん”を演じた山本太郎、速水を支える看護師長・花房を演じた羽田美智子、彼女へのライバル心を秘める看護師・如月役の貫地谷しほり、速水に敵対心を抱く精神科部長・沼田の高嶋政伸、金食い虫の救命救急を快く思わない三船事務長・尾美としのりなどなど、誰も彼もが何か裏のありそうな曲者チャラたちを皆いい味を醸しつつ演じていて、派手さこそ乏しいがなかなかいいキャスティングでした。

★ 最後に!
この作品の制作に携わっておられました方のエピソートとして、
撮影されたのにカットされたシーンがけっこう多くて、初見ではそっちに意識がいっちゃって集中できず、改めて二回目を観て、やっぱりこれはオススメして大丈夫な快作と確信されたそうです。
中村監督のお得意部分ですが、編集でバッサリ切ることで作品のテーマがより明確になって質が高まるという好例ではないでしょうかと。
(ご講評ありがとうございました。今後も映画の制作に活躍されますことをお祈り申し上げます。)

さあ、映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』!
是非、劇場でご覧になってくださいね。

※2009年、今年も助演男優賞候補は「堺 雅人」さんでしょうね!

私の日記 2009.3.12
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