ジャージの二人

映画「ジャージの二人」 特集1 ファン専用

●はじめに
このブログは、映画をご覧になって、クスクスお笑いになった方にしかわからないお話ばかりです。レアなファンであるあなただけに、こっそり見てもらいたい日記なのです。
さて、登場する人達を「線」を描くように説明できる「連続ドラマ」とは違い、この映画では全く説明がない「点」描写。ですから皆さんの受取方もそれぞれ違うのかも!
今日は、映画「ジャージの二人」登場人物についての感想を私の視線から書きとめてみました。

★ 特集:登場人物(レギュラー)

●父親(鮎川 誠):55歳元プロカメラマン。(ワケアリ)。女性に対する気の使い方が特に下手そうなキャラ。再々婚という設定ながら、私生活では肩身が狭いらしい。夏休みを山荘に滞在し、ジャージを着ていると、子供の頃に戻ったような無邪気な気分でいられるお父さんです。ロックギタリスト鮎川誠の「標準語仕様」は実に面白く、存在感のある父親に仕上がっています。何もしない夏休みらしく、山荘でまったりダラダラ過ごしている父親の演技には何かこう親しみを感じますね!

●息子(堺 雅人):32歳無職・小説家を志す。(ワケアリ)。会社を辞め、妻との不協和音から逃れるために、父親と山荘に現実回避したのでしょうか。滞在中、2年連続山道で迷子になります。最初は予期せぬ事態、次は人をあてにしての墓穴。ともに彼の人生の失敗を表現しているようで面白い。山荘に一人残った息子が小説を書きはじめたところで、やっと何かを見つけたような気がしました。※俳優ではない父親役を引き立てる「助演」も兼ねたような主演の堺雅人。この映画の格となる息子と父親の絶妙な「間」は素晴らしい。また、時の人になっている彼を先取りした監督はさらにエライ!
       
●めぐみ(水野美紀)妻:他の男と恋愛中。温厚な夫に対し、別れを切り出せなかった彼女のようだが、夫と暮らした山荘生活3日の間に答を見つけたようだ。不倫という行為に、いやらしさを感じさせない彼女の存在。何か物足りない夫として、堺さんにはぴったりの妻だったと思います。

●遠山さん(大楠道代):昔からの家族ぐるみの知り合い、で神出鬼没のおばさん。独特なファッションセンスが特長的。映画では父親には不思議な魔女に仕立て上げられているのですが、超ベテランの大楠さんだから神秘さがしっかり伝わります。遠山さんは、きっとワケアリ親子へのメッセンジャー的存在だと思います。お父さんの過去を知りすぎているのはなぜかな。

●岡田さん(ダンカン):父の友人。(ワケアリ)妻は男をつくり、最近家を出ていった。電波が届かない山荘では音信不通状態。ここでは何も起きない安心感と、先々の不安が入り乱れているようだ。携帯電話のおかしな開閉音も、滞在中の落ち着かない気持ちのバロメーターになっていたと思う。「清々した」と言いつつも、戻って来て欲しい心境が、電波ポイントでの通話シーン「頼むよ」のセリフでひしひしと感じられました。

●花子(田中あさみ):義妹。友達が少ないらしいと父親が心配しているが、ごく普通の現代っ子。年齢的にも子供から大人へと変わる世代の彼女だが、両親の不仲が気になり、この先が心配のようだ。そんな喜怒哀楽のある元気な女の子を、田中あさみさんはしっかりと表現出来たと思います。
日テレのドラマ「スクラップ ティーチャー」でも活躍してましたね。
 
●ミロ(クロード)吾妻郡草津町に在住のハスキー犬10歳です。
中村監督がお気に入りで選んだそうです。ハスキー犬はやはり特性を把握し、飼い慣れた人でないと扱いは難しいと思います。でも、山荘を訪れる家族の一員になりきれたのは、この子の育ちの良さだったのでしょうね。各シーンに登場しています。

●カマドウマ(便所コオロギ):山荘に出没するバッタのようで、羽根のない跳躍力のある虫。昔は土間のある暗い日本家屋に住み着いていました。現代の家には住み着く場所がありません。この虫が家の中を歩き回シーンは、昔を知る人には懐かしく、今の人達には信じられないという感じでしょうね。
※ ここまでが私的なメインキャスト。

★ その他、気になる出演者---
●雑貨店のおばちゃん(不明):たぶん父親の幼なじみという設定でしょうか、熊手を購入するシーンでは「アラアラアラ!」って懐かしさのあまり一方的に話しかけられ、会話する間もなくトマトまでお土産に渡された息子。
このお店は、映画のためだけに民家の納屋を「雑貨店」風に装ったような感じがしましたが、いかがなものだったのでしょうか?

★ 名前だけ、会話の中だけ、の登場者---
●前々妻(息子の母):1年目の最後の晩(就寝時)での息子との会話中に登場。父親が「若い頃はしっかりしてなかったから、君の母には苦労をかけたと今でも思っている」と語った。息子は先月に法事があって元気そうだった…と。親子のしんみりした話しでした。

● 斎藤さん(名前のみ):遠山さん宅での「イノシシの群れ」の話に登場。 
● 三上先生(名前のみ):亡くなられた花子のピアノの教師。
● 父親の妻(義母):訃報の電話をかけて来たが、声の出演はなし。

★ 架空の演出---
● イノシシの親子:花子を迎えに行った帰り、山荘に向かうシーンで出現。全体を映し出すこともなく、(毛の一部)カメラワークが絶妙でしたね。
茂みに逃げ込むシーンでは、スマートな犬の尻尾のようにも見えた。

★気になる女学生:電波ポイントでのパフォーマンスシーン---
 
最 初 (高校生一人)ヘルメット着用なしだから高校生なのかな?
息子には彼女が自分に手をあげて合図しているようにしかみえなかった。
2回目 (中学生一人)何をしているのかその地点に向う直前の情景
3回目  息子が電波ポイントに立ち、手を上げる、後から来た(中学生一人)
     が、ここはアンテナが3本立つ穴場だと語る。ヘルメットには「嬬 恋」中学校と書いてあったようだ。
4回目 (中学生一人)妻が何だろうかと疑問を持つが、息子は話さなかった。
5回目 (中学生三人)花子だけがアンテナが立つんだと理解できた。
※ この女学生5回目のシーンだけ、携帯電話が鮮明に写し出されています。きっと、それ以外のシーンは携帯電話を持たないパフォーマンスだったと思います。

この映画「ジャージの二人」は正味の所93分で、登場人物も適度で良かったと思います。ジャージ親子が過ごす涼しい山荘での夏休みには、犬がいて、ゲストが3人(岡田さん・めぐみ・花子)訪れ、魔女が1人(遠山さん)、家の中には虫が出て、山にはイノシシも出没!周りには森・畑・滝・池があって、しかも台風も来て!それでも、何にも起こらない夏休みでした。
なぜなら、この「奇跡的な親子」の存在こそが映画のすべてなのです!

では今日はこの辺で。お付き合いいただきありがとうございました。また!

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